〜総務運営部伊藤早紀 ブラジル訪問記 Vol.3〜

2016/09/12

“総務運営部伊藤早紀 ブラジル訪問記”の最終回となります。

Vol.1はこちらから、Vol.2はこちらから、ご覧ください。

– – ブラジル滞在中の8日間に、ホームでのリーグ戦があってラッキーでしたね。クルゼイロECのホームスタジアム “ミネイロン” では、他になにか面白い気付きはありましたか?


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エスタジオ・ゴベルナドール・マガリャンイス・ピント、通称“ミネイロン”は1965年創立の地元の強豪クラブのクルゼイロECとアトレチコ・ミネイロ両チームのホームスタジアム。収容能力は61,846人。2014年ブラジルW杯準決勝で、ドイツ代表にブラジル代表が1-7で惨敗した“ミネイロンの悲劇”が起きたスタジアムとして有名。

試合とは別に、実はブラジル滞在の2日目にミネイロンのスタジアムツアーに参加させていただきました。人工芝のアップ場やロッカールーム、かなりの広さの取材用ミックスゾーン等を見ることができた他、併設されたミュージアムも見学できました。
個人的に一番面白いと感じたのは「肥満者専用の席」が設けられていたことです。席の値段は変わらず、席幅が普通の席の2倍ありました。


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– – ブラジルに肥満者は多いのでしょうか…?そのような席が日本にもあれば、お相撲さんも心配なく試合観戦にいけますね(笑)
ブラジル滞在中に、クルゼイロECの敷地外の観光スポットなどには訪れる余裕はありましたか?

はい。Praca do Pasaという絶景の広場やショッピングモール、遊園地、中央市場などベロオリゾンテの観光名所を巡る機会を設けていただきました。あとはクルゼイロECのコーチのお家にお招きいただいたり、クルゼイロECが所有している会員制スポーツクラブを訪問したりもしました。


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– – その会員制スポーツクラブとはどういった施設でしょうか?

“Cruzeiro Sporte Clube sede campestre”といって、サッカーの人工芝と天然芝が1面ずつある他、4つのプールやバレーボールコート等がある総合型スポーツ施設です。
40年以上前に設立され、今もなお地域の人々に愛され、地域とともにある施設です。
現在会員はおよそ5000人だそうです。入会金は家族単位で3000レアル(約95,500円)とやや高額ですが、あとは月会費130レアル(約4150円)、家族+1人につき10レアル(約320円)で自由に使用することができます。

中には託児所や遊具もあって、小さい子連れの家族でも楽しめる環境が用意されていました。朝は7:00から夜は22:00(休日は20:00)までと、1日中スポーツができるようになっています。クルゼイロECでは、スポーツを「見る」だけでなくこうして「する」「楽しむ」環境も提供されているんですよね。


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– – 素晴らしいですね。こういった施設は日本にはなかなか見当たらないので、羨ましいかぎりです。クルゼイロでの8日間は特にアクシデントなく無事に終えることはできましたか?

そうですね。厳重な警備や帯同してくださった現地スタッフのおかげもあって、特にトラブルに巻き込まれることなく8日間を終えることができました。
最終日の練習後はクルゼイロ留学プログラム修了式典があり、子供達にはメダルや修了証書が寄与されたのですが、なんと私の分まで用意してくださり、感激して涙が出そうでした。


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– – それは嬉しいサプライズでしたね! 今回のブラジル研修を終え、早紀さん自身とても勉強になることが多かったのではないかと思います。

その通りです。今回のブラジルでの8日間を通して「こういうクラブを目指していきたい」という理想の姿を見た気がしました。
それが一番大きな学びです。

クルゼイロの選手育成に対する姿勢もとても勉強になりました。
“人間そのものを育てる”という育成方針に、「謙虚」「規律」「焦点※プロとしてやっていくと決意したら焦点を外さず努力し続ける」という3つの指針があります。
トレーニングだけでなく学校での態度が悪くても試合には出られません。たとえエース選手であっても、どんな大切な試合であっても、です。
また、「ブラジルで5本の指に入るビッグクラブでありスタッフ、食事、施設ともに受け入れ体制の整ったクルゼイロECは、世界にこのサッカーを伝える役目がある」という話をスタッフの方から伺った際には、この使命感というか、国を越えてクラブの指導や教育、環境を提供する姿勢に大変感銘を受けました。

その他にも、ブラジルの方々は地元のクラブに対する愛情が本当に深かったり、少しすれ違っただけでも笑顔で話しかけてくれたりと、文化的な刺激もたくさん受けました。
帰国時の空港や機内では、クルゼイロECの帽子をかぶっていただけで「クルゼイロECは最高のチームだよね」「私もクルゼイロECのファンなの!」などと声をかけてくれる人が何人もいました。一週間クルゼイロECの活動に参加させていただいた私としては本当に嬉しかったですね。

今回は小学生4人、中学生2人の計6人の付き添いという名目でブラジルサッカー留学に帯同したのですが、子供たちとの接し方について学ぶことも多かったです。
例えば、最初は困っている子に対しては何でもしてあげようという心持ちで接していたのですが、それではせっかくのその子の適応能力や問題解決能力の成長のチャンスを私が摘んでしまうことになりかねません。途中からは良い意味で「放って」おき、見守ることを学びました。
また、サッカーに必死に取り組みながら日々ものすごいスピードで成長していく子供たちの姿にとても刺激をうけました。新しい環境で自らを試す彼らの姿勢にエネルギーをもらった気がします。

様々な面において、本当に学びと刺激の多い日々でした。

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– – ブラジルで素晴らしい体験をしてこられたようで、羨ましいかぎりです。今回のブラジルでの8日間の経験を、今後MYFCにどのように還元していこうと考えていますか?

そうですね、まずクラブの規模と舞台が違うので、現地での学びをそっくりそのままコピーできるわけではありません。できたとしても文化の違いから同じように上手くいくとは限りません。
ただ今回、最高レベルのクラブのあるべき姿というものをしっかりと目に焼き付けてきたので、日々の一つ一つの業務がその姿につながっていると思って目の前の仕事に取り組んでいきたいです。
クルゼイロECはもうすぐ設立100年記念を迎えるクラブですが、藤枝MYFCはまだ創立から10年も経っていません。クルゼイロECのように家族ぐるみの古くからのファンがたくさんいる訳ではないのですが、逆にいえば現在行っている業務は将来のそういったファン作りにつながっているということです。
目指す姿は正直遥か遠く、大きかったです。追い付き追い越すためにはまだまだですが、試行錯誤し将来クルゼイロECのように愛されるクラブに成長できるよう頑張ります。

今回のブラジル留学を通じて、自分の「人間力」をもっと高めたい、もっと自分磨きをしたいと思えるようになりました。違う文化の中で生活し、子供達と接し、慣れない英語を中心にコミュニケーションを取る中で、自分の力不足である部分に気づく機会が豊富にありました。
まずはもっと人として成長し、ブラジルでの経験を十分にクラブに還元できる人材になるところからですね。
そして、いつか藤枝MYFCとともに自分も成長できたと胸を張れるようになった暁には、またクルゼイロECを訪れ偉大なるクラブの姿にもう一度圧倒されたいです! !

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– – ひとつ、大きな夢ができましたね。藤枝MYFCの、そして伊藤早紀さんのこれからの成長がとても楽しみです! Let’s Go MYFC!!

Força MYFC!!!

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