J3ルールについてのプチトリビア – 警告・退場について –

2016/09/30

いきなりですが、クイズです。

J3でプレーする「ファール太郎」選手は、前節までにすでにイエローカードを3枚もらっています。
今日の試合でファール太郎選手は1枚イエローカードをもらい、さらに同じ試合中に2枚目のイエローカードをもらってしまい、イエローカード2枚で退場処分になってしまいました。
この場合、ファール太郎選手は何試合出場停止になり、結果次節からの累積警告カウントは何になりますでしょうか?

A. 出場停止: 1試合のみ
累積警告カウント: 0にもどる

B. 出場停止: 2試合
累積警告カウント: 0にもどる

C. 出場停止試合: 1試合
累積警告カウント: +3のまま

D. 出場停止試合: 2試合
累積警告カウント: +3のまま




答えは…




ジャジャジャン…




Cです!




あれ、でも1枚目のイエローカードで、累積が4になるから、退場処分の分の1試合と、累積が貯まった分の1試合の合計2試合分の出場停止にはならないの?

退場処分を受けても、累積警告カウントはリセットされないの?

サッカーに関する退場処分のルール、知っているようで実は完璧に理解できていない人は実は多いのではないかと思います。


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なにを隠そう、私もその1人です。

前節、藤枝MYFCは5月に行われたガイナーレ鳥取戦以来のアウェーでの白星をあげましたが、実はこの試合、対戦相手のグルージャ盛岡には3人の出場停止選手がいました。

3人とも主力選手でしたので、MYFCにとってはラッキーでしたが、そもそもなぜこの日、グルージャ盛岡には3人もの出場停止選手がいたのでしょうか?

選手の出場停止処分とその条件については、決して他人事ではなくMYFCにも深く関わってくる話です。
今日はこの場を借りて、J3の出場停止処分についてのルールを1度整理してみたいと思います。

※注意: 以下は全てJ3におけるルールです。

イエローカードとレッドカードについて

まずはとても初歩的な話ですが、サッカーでは警告(イエローカード)と退場処分(レッドカード)の2種類のファールに対する処分があります。

レッドカードを提示された選手は、その試合は即退場を余儀なくされます。
また、サッカーファンならご存知のように、イエローカードを同じ試合中に2枚もらっても、これは退場処分になります。

処分はその試合だけでなく、その翌節の試合にも影響します。

まず、退場処分を受けた選手は、当該大会における直近の1試合も出場停止になります。
例えば、第10節でレッドカードをもらった選手は、その試合は退場処分を受けるだけでなく、第11節も出場することができません。

また、レッドカードをもらう原因となったファールが悪質な場合、Jリーグ規律委員会で審査され、場合によっては1試合より多くの出場停止が課されることもあります。

ちなみに、前節の盛岡戦で出場停止だった3人の選手のうちの1人は、その前節の FC琉球戦でレッドカードをもらっていました。

警告累積について

これは、いろいろな組み合わせがありますので、実は意外と複雑です。

まず、イエローカードというのは累積されるものです。
これは、毎試合イエローカードをもらうような悪質なプレーが多い選手をリーグから根絶やしにするためですね。
ですので、Jリーグはどの選手が何枚イエローカードを通算もらっているか、管理しています。

試合中イエローカードを提示された選手は、警告累積カウントが1増えます。
J3では、このカウントが4に達した場合、当該大会における直近の1試合が出場停止になります。

今年のJ3は全30節ありますが、これは例えば第1節、2節、3節、4節とそれぞれイエローカードを1枚ずつもらった選手は、第5節には出場することができない、ということです。

また、この累積警告による出場停止を繰り返すと、2回目の出場停止処分は1試合ではなく2試合になります。
つまり、イエローカードを4枚もらうと1試合出場停止、8枚もらうとさらに2試合出場停止、ということですね。


さて、ここで冒頭にあったクイズに話を戻させていただきます。

「ファール太郎」選手は、すでに累積警告カウントが+3でした。
そのあと、1枚イエローカードをもらった時点で、この累積警告カウントは+4になり、次節出場停止が決定します。
しかし、そのあとまたイエローカードをもらいました。
イエローカードを同じ試合中に2枚もらったので、退場処分になるのですが、ここで注意しなければいけないのが、イエローカード2枚はレッドカード1枚と同質とみなされるということです。

もう一度繰り返します。

イエローカード2枚でレッドカード1枚に変換されます。

これはつまりどういうことかと言いますと、ファール太郎選手がもらった1枚目のイエローカードは無かったことになる、ということです。
記録上、ファール太郎選手はイエローカードを2枚もらったのではなく、レッドカードを1枚もらったということになります。

そして、レッドカードでの退場処分は、累積警告カウントをリセットしません。

ですので、ファール太郎選手は翌節は出場停止となるものの、翌々節には累積警告カウント+3の状態で出場可能となるのです。



では、ここでもう1問クイズ!

先ほどのクイズと同じで、「ファール太郎」選手の累積は+3です。
この試合で「ファール太郎」選手は1枚イエローカードをもらったあと、同じ試合中にレッドカードを1枚もらってしまいました。(イエロー2枚ではなく、イエロー1枚とレッド1枚)
この場合、ファール太郎選手は何試合出場停止になり、結果次節からの累積警告カウントは何になりますでしょうか?

A. 出場停止: 1試合のみ
累積警告カウント: 0にもどる

B. 出場停止: 2試合
累積警告カウント: 0にもどる

C. 出場停止試合: 1試合
累積警告カウント: +3のまま

D. 出場停止試合: 2試合
累積警告カウント: +3のまま



答えは…




Bです!





この場合、イエロー2枚ではなくイエロー1枚とレッド1枚ですので、先ほどの例のように1枚のイエローカードが帳消しになることはありません。
ですので、1枚目のイエローカードをもらった時点で、ファール太郎選手の累積は+4となり、この時点で1試合の出場停止が決定、さらにレッドカードで1試合の出場停止処分が下りますので、計2試合出場停止となります。
そして、累積警告が4貯まり1試合出場停止処分を受けましたので、累積警告カウントは0にもどります。

とてもややこしい話ですね。

天皇杯で敗退した試合で退場処分をうけた場合

今回のグルージャ盛岡の件がこれに該当するのですが、グルージャ盛岡は天皇杯第3回戦まで勝ち進みますが、この試合退場者を2人だしたあとに試合に負け、天皇杯から敗退してしまいました。

さて、退場処分を受けたこの2選手は、グルージャ盛岡がもし勝ち進んでいれば天皇杯第4回戦は出場できていませんでした。
しかし、敗退してしまいましたので、出場停止処分は未消化のままになってしまいます。

ここで、そのまま未消化分の出場停止処分は無かったことになるわけではなく、その直近の公式戦に適用されます。
それが、前節のMYFC戦だったわけですね。

まとめ

つまり、今までの話をまとめるとこういうことになります。

J3第23節 FC琉球戦で退場者1名 → J3第24節出場停止
天皇杯第3回戦で退場者2名 → 天皇杯は敗退 → 直近の公式戦であるJ3第24節出場停止

結果、藤枝MYFC戦では出場停止選手が3名。

長くなりましたが、この出場停止処分に関する細かい知識は、知っておいて損はないと思います!
いつMYFCの選手がこのような状況に立たされるかは分かりませんので、ファンの方はもちろん、私たちスタッフもしっかりとルールを把握しておきたいものです。

さて、明日はJ3第24節セレッソ大阪U-23戦です。
勝てばアウェー2連戦を2連勝とすることができる、重要な試合です。
泣いても笑っても残すところ7試合です!

Let’s Go MYFC!!!

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