〜総務運営部伊藤早紀 ブラジル訪問記 Vol.2〜

2016/09/08

昨日9月7日のダイアリーからの続編となります。
Vol.1はこちらからご覧ください。


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伊藤早紀 22歳 静岡県出身 株式会社藤枝MYFC総務運営部。有限会社スリーライン様の8日間に及ぶブラジルサッカー留学プログラムに6人の子どもの世話役/通訳として帯同。

– – 今回連れて行った日本人選手6人はうまく馴染めていましたか?

はじめは、やはり言葉が通じないのでコミュニケーションを取るのにも苦労しているように外からは見えました。中学生2人は今回が2度目だったということもあり、溶け込んでいる感じがしましたけどね。
ブラジルはポルトガル語が第一言語であり日本人が慣れ親しんでいる英語でもないので、数字1つをとっても、「ワン、ツー、スリー」はあまり通じません。
しかし、子供たちはブラジル到着時には既にポルトガル語で「ウン、ドイス、トレイス…」と数え始めていました。
その後も日に日にポルトガル語を覚えていく子供達を見て、もっと言語を覚える意識を高く持たなければと私が逆に焦るほどでした。

– – やはり子供たちは吸収が早いですね。サッカーをしながら現地人が使うリアルな話し言葉を覚える、というのも言語学習の上ではとても効果的なのかと思います。

その通りだと思います。結局8日間で何度かゲーム形式の練習を行ったのですが、6人全員得点を決めることができ、試合中には声も出せるようになり、最後には周りからも認められて友達もできていました。


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– – それは嬉しいですね! ところで、早紀さんは現地では子供のための通訳も兼ねていたのですよね?

そういった場面も多少はありました。私はポルトガル語を話せないので、ブラジル人のコーチがポルトガル語を英語に直して、それを私が英語から日本語に訳して子供達に伝える、といった感じでした。

– – 早紀さんは英語を話されるのですか?

いいえ、人並みの英語しか話せません。しかしそれを向こうは理解してくれていて、簡単な単語を選びゆっくりと話してくださったのでとても分かりやすかったです。後はボディーランゲージを駆使してなんとかなりました。

– – そうであったとしても、現地の人としっかりコミュニケーションを取るのはとても大変なことであったと思います。コミュニケーション能力に長けているのですね、早紀さんは。

いえいえ(笑)

– – クルゼイロECのユースチームの練習はどのようなものでしたか?

朝と午後の2部練の日もあったのですが、練習は毎回きっちり90分間でした。
日本人選手たちは練習が終わった後も残ってボールを蹴ろうとするのですが、「ここぞ、というときに力を発揮するために90分の練習で出し切る習慣をつけるように」と指導を受けていました。
外から練習を見ていて感じたのは、相手がいることを想定した練習が多かったことです。
サッカーというスポーツは、相手ありきのスポーツであって、クルゼイロECでは例えば2人でただ対面パスをするときも、かならずマネキンなどを使って2人の間や背後に相手と想定した障害をおきます。


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それはクロス練習でも同じで、ただクロスを上げてシュートするのではなく、かならず相手に見立てたマネキンを設置して、相手の存在を意識したうえでクロスをあげます。
そこが、一般的な日本の練習風景とは違いました。

– – なるほど、たしかにサッカーは11人対11人でやるスポーツであって、相手がいない局面で練習をしていても、実戦で使えない技術ばかり身についてしまうかもしれませんよね。とても勉強になります。他に、クルゼイロECの練習でなにか日本と違ったところはありましたか?

クルゼイロECはユースのプレイヤーもまるでプロのように扱っていました。
練習の30分前までにロッカールームに集合するのですが、そこでは練習着が用意されており、練習後はそれを回収して洗濯までしてくれます。
日本のJクラブなどではよく見かける光景ですが、それをクルゼイロECでは子ども達にもしていたので驚きました。

また、フィールド脇には常にリンゴやバナナなどのフルーツが用意されていました。
ここでもとても印象的だったのが、そのフルーツを練習中、さらにはコーチとのミーティングの最中であってもガツガツと食べる子どもがいたことです。
日本ではコーチが話している最中は水分を取ることもためらうほどなのに、ここの子どもたちはバナナを頬張りながらコーチの話を聞いていました。栄養補給の大切さが浸透していて、それが実現された環境なんですよね。その光景にはカルチャーショックを受けましたね。


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– – それは確かに日本ではまず見られない光景ですね。他にも練習中にカルチャーショックを受けた出来事はありましたか?

練習中ではないのですが、練習が終わったあとに記念撮影で私が現地の子どもたちと日本人選手の集合写真を撮った際、良い写真が撮れたので「オッケー!」と親指と人差指でOKサインを作りました。すると、周りの視線がなにか冷たいのです…

– – OKサインはブラジルではしてはいけないのですか?

私も知らなかったのですが、ブラジルの文化では低俗な表現であったらしく…(笑)
今回のブラジルサッカー留学に向けて気候や生活面については多少は調べておいたのですが、文化面に関してはリサーチ不足でした。

– – なるほど。しかし文化面に関しては本などで勉強できることは限られていると思います。やはり、現地にいってナンボですよね。ちなみにトップチームの練習も見学する機会はありましたか?

はい、ありました。ブラジル滞在6日目にクルゼイロECのリーグ戦があったのですが、その前日の練習を視察しにいきました。
練習場所は、ユースチームが練習するToca Iから車で10分ほど離れたToca IIという施設で、ここには4面のグラウンドがある他、リハビリのためのトレーニング施設を擁したクラブハウスや、選手が試合前日に宿泊するというホテルもありました。
公式戦前日ということで、練習の内容は戦術確認やセットプレーが主なものでしたが、とても見ごたえのあるものでした。

なんといっても、練習前に設けられていたファンサービスの時間でのトップチーム選手たちの紳士さにとても胸を打たれました。
選手1人1人が、それはそれは丁寧に私たちと接してくださり、惚れ惚れしてしまいました。


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– – 6日目にクルゼイロECの試合があったとのことでしたが、試合は盛り上がりましたか?

はい、とても白熱した試合を見ることができました!
試合は2-0で勝利し、5万人近く入ったスタジアムの雰囲気に圧倒されてしまいました。


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また、スタジアムの警備が日本のものとは比べものにならないくらい厳重でした。
入場の際も、男性と女性は別々に分けられて、それぞれ隈無くボディチェックしたあと、荷物の中身も細かくチェックし、私なんかはボールペンを持っていただけで取り上げられてしまいました。

– – ボールペンだめなんですか? (笑)

みたいです。武器になりえますからね。あと、試合終了後サポーター間の暴動が起きないように、ホームサポーターとアウェーサポーターの退場時間をずらす、という配慮がされていました。

– – 逆にいえば、そうでもしないとすぐサポーター同士の喧嘩が始まってしまうということですよね。ブラジルならではですね。

>> 月曜日の最終回 Vol.3へ続く.. 最終回ではこの度のブラジルサッカー留学での経験をどのようにMYFCに還元していくかについて早紀さんが語ります!

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